痔疾患治療薬とは?
痔疾患治療薬とは?
痔疾患治療薬(じしっかんちりょうやく)とは、痔(いぼ痔・切れ痔・痔ろうなど)の症状を改善・治療するために用いられる薬です。
痔は、肛門周囲の血流障害や炎症、感染などによって起こります。薬物療法は、痛み・出血・炎症・腫れ・便秘などを改善し、症状の軽減や再発予防を目的として行われます。
痔の種類
① 痔核(いぼ痔)
肛門の静脈がうっ血して腫れた状態です。
内痔核:肛門の内側にできる
外痔核:肛門の外側にできる
② 裂肛(切れ痔)
硬い便などで肛門の皮膚が裂けた状態です。
③ 痔瘻(あな痔)
肛門周囲の感染によって膿の通り道(瘻管)ができた状態です。
痔瘻は薬だけで治ることは少なく、多くの場合は手術が必要です。
主な治療薬
① 外用薬(軟膏・坐薬)
最もよく使用されます。
主な成分
局所麻酔薬
痛みを和らげます。
代表例
リドカイン
ステロイド
炎症や腫れを抑えます。
代表例
ヒドロコルチゾン
プレドニゾロン
注意
長期間使用すると皮膚が薄くなるなどの副作用があるため、医師の指示に従って使用します。
血管収縮薬
腫れや出血を抑える目的で配合されることがあります。
保護剤
患部を保護し、排便時の刺激を軽減します。
② 内服薬
痔の循環改善薬(静脈機能改善薬)
肛門周囲の血流を改善し、腫れや出血を軽減します。
日本では補助的に使用されることがあります。
鎮痛薬
痛みが強い場合に使用します。
代表薬
アセトアミノフェン
NSAIDs(ロキソプロフェンなど)
③ 便秘治療薬
便秘を改善し、排便時の負担を軽減することが重要です。
浸透圧性下剤
酸化マグネシウム
マクロゴール
上皮機能変容薬
ルビプロストン
リナクロチド
刺激性下剤
センノシド
ピコスルファートナトリウム
注意
長期連用は避けることが望ましいとされています。
④ 抗菌薬
痔瘻や肛門周囲膿瘍
感染を伴う場合に使用されます。
代表例
セフカペン
アモキシシリン/クラブラン酸
ただし、抗菌薬だけで痔瘻が治ることは少なく、手術が基本治療です。
主な副作用
薬の種類 | 主な副作用 |
ステロイド外用薬 | 皮膚萎縮、感染リスクの増加(長期使用時) |
局所麻酔薬 | かぶれ、アレルギー反応 |
鎮痛薬(NSAIDs) | 胃潰瘍、腎機能障害 |
酸化マグネシウム | 下痢、高マグネシウム血症(腎機能低下時に注意) |
刺激性下剤 | 腹痛、下痢、長期使用で耐性の懸念 |
薬だけでは治療できない場合
以下のような場合は、薬物療法だけでは十分でないことがあります。
痔核
ゴム輪結紮術
硬化療法
手術(痔核切除術など)
裂肛
慢性化すると手術が必要になることがあります。
痔瘻
手術が基本治療です。
瘻管切開術
括約筋温存術
シートン法
日常生活での予防・再発防止
便秘や下痢を予防する
食物繊維や水分を十分に摂る
長時間いきまない
長時間座り続けない
適度な運動を行う
排便後は肛門を清潔に保つ
痔疾患治療薬のまとめ
分類 | 主な代表薬 | 主な適応 |
外用薬 | リドカイン、ヒドロコルチゾン配合薬など | 痔核、裂肛 |
鎮痛薬 | アセトアミノフェン、ロキソプロフェン | 痛み |
便秘治療薬 | 酸化マグネシウム、マクロゴール、ルビプロストン | 排便負担の軽減 |
抗菌薬 | セフカペン、アモキシシリン/クラブラン酸 | 感染を伴う痔瘻・肛門周囲膿瘍 |
まとめ
痔疾患治療薬は、痛み・炎症・出血・便秘・感染などを改善することで、痔の症状を和らげる薬です。
主な治療は次のとおりです。
痔核・裂肛:外用薬(軟膏・坐薬)、鎮痛薬、便秘治療薬
痔瘻・肛門周囲膿瘍:抗菌薬を用いることがありますが、根本的な治療は手術です。
薬物療法に加え、便秘や下痢の改善、排便習慣の見直し、生活習慣の改善を組み合わせることが、症状の改善や再発予防に重要です。
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