自律神経作用薬とは
自律神経作用薬とは、自律神経(交感神経・副交感神経)の働きを強めたり弱めたりして、心臓・血管・気管支・消化管・膀胱・目などの機能を調節する薬の総称です。
「自律神経作用薬」は一つの薬ではなく、作用する神経や受容体によって多くの種類に分けられます。
自律神経とは?
自律神経は、意識しなくても体の働きを調節しています。
交感神経(活動モード)
体を「戦う・逃げる」状態にします。
心拍数を増やす
血圧を上げる
気管支を広げる
瞳孔を開く
消化を抑える
副交感神経(休息モード)
体を休ませます。
心拍数を下げる
消化を促進する
唾液を増やす
排尿を促す
瞳孔を縮める
自律神経作用薬の種類
① 交感神経刺激薬(交感神経作動薬)
交感神経の働きを強めます。
代表例
アドレナリン
ノルアドレナリン
ドパミン
サルブタモール
使用目的
心停止
アナフィラキシー
ショック
気管支喘息
② 交感神経遮断薬
交感神経の働きを弱めます。
代表例
プロプラノロール
ビソプロロール
カルベジロール
使用目的
高血圧
狭心症
心不全
不整脈
③ 副交感神経刺激薬
副交感神経の働きを強めます。
代表例
ベタネコール
ピロカルピン
使用目的
排尿障害
口腔乾燥
緑内障
④ 副交感神経遮断薬(抗コリン薬)
副交感神経の働きを弱めます。
代表例
アトロピン
ブチルスコポラミン
チオトロピウム
使用目的
腹痛
過活動膀胱
慢性閉塞性肺疾患
徐脈
主な副作用
薬によって異なります。
交感神経刺激薬
動悸
血圧上昇
不整脈
β遮断薬
徐脈
低血圧
気管支収縮(薬剤による)
抗コリン薬
口の渇き
便秘
排尿困難
目のかすみ
どんな診療科でも使われる
自律神経作用薬は
救急
循環器
呼吸器
消化器
泌尿器
眼科
麻酔科
など、ほぼすべての診療科で使用されています。
覚え方
神経 | 働き | 薬 |
交感神経 | 活動モード | 刺激薬は血圧↑・心拍↑ |
副交感神経 | 休息モード | 刺激薬は消化↑・排尿↑ |
まとめ
自律神経作用薬は、交感神経や副交感神経の働きを調節する薬の総称です。
大きく分けると次の4つがあります。
分類 | 作用 |
交感神経刺激薬 | 心拍・血圧・気管支拡張を促す |
交感神経遮断薬 | 心拍・血圧を下げる |
副交感神経刺激薬 | 排尿・消化・唾液分泌を促す |
副交感神経遮断薬(抗コリン薬) | 消化・排尿を抑え、気管支を広げるなど |
このように、自律神経作用薬は心臓・血管・肺・消化管・膀胱・目など全身の臓器の働きを調節する、非常に幅広い薬のグループです。
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