行動療法とは?
行動療法とは、問題となっている行動は「学習によって身についたもの」と考え、行動のしかたを変えることで症状や生活上の困りごとを改善する心理療法です。
対象は「考え方の深い分析」よりも、今起きている行動・反応・生活習慣です。
基本的な考え方
行動療法では、次のように考えます。
不安や回避行動は、経験を通して学習される
学習された行動は、新しい学習によって変えられる
行動を具体的に観察し、改善目標を設定する
小さな成功を積み重ねて望ましい行動を増やす
例えば、電車で強い不安を感じて乗らなくなると、回避した直後は不安が下がります。その結果、「避ければ楽になる」という学習が強まり、さらに電車に乗れなくなることがあります。行動療法では、安全に配慮しながら段階的に電車へ乗る練習を行います。
主な技法
曝露療法
不安や恐怖を感じる場面に、安全な条件で少しずつ向き合います。パニック症、社交不安症、限局性恐怖症、強迫症、PTSDなどで用いられます。
系統的脱感作法
リラクゼーションを行いながら、恐怖の弱い場面から段階的に慣れていく方法です。
反応妨害
強迫症で、確認や手洗いなどの強迫行為を行わずに、不安が自然に下がることを学びます。曝露療法と組み合わせたものを**曝露反応妨害法(ERP)**といいます。
オペラント条件づけ
行動の直後に起こる結果によって、その行動が増減するという考え方を利用します。
望ましい行動を褒める
達成したら報酬を与える
行動を細かい段階に分けて身につける
行動活性化
うつ状態で減っている活動を少しずつ増やし、気分の回復につなげます。
モデリング
他者の適切な行動を観察し、まねることで新しい行動を学びます。
認知行動療法との違い
項目 | 行動療法 | 認知行動療法 |
主な対象 | 行動・回避・習慣 | 行動と考え方 |
重視するもの | 学習理論 | 学習理論と認知理論 |
代表的技法 | 曝露、反応妨害、強化 | 曝露、行動実験、認知再構成 |
目標 | 行動を変える | 行動と認知の両方を変える |
現在は、行動療法の技法が認知療法と統合され、**認知行動療法(CBT)**の一部として行われることも多いです。
注意点
曝露療法などは、無理に恐怖場面へ直面させる方法ではありません。治療者と目標や手順を相談し、本人の同意を得ながら段階的に進めます。また、症状によっては薬物療法や支持的精神療法などを併用します。
まとめると、行動療法は「問題行動を具体的に分析し、新しい行動を練習することで改善を目指す心理療法」です。
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