鎮咳薬とは?
鎮咳薬(ちんがいやく)とは、咳(せき)を抑えるための薬です。咳は気道に入った異物や分泌物を外へ排出するための重要な防御反応ですが、咳が長く続いたり、強すぎたりすると睡眠や日常生活に支障をきたすため、症状を和らげる目的で鎮咳薬が使用されます。
鎮咳薬の目的
咳の回数や強さを減らす
睡眠を改善する
胸や喉の痛みを軽減する
体力の消耗を防ぐ
ただし、痰(たん)が多い咳では、むやみに咳を止めるとかえって痰が排出されにくくなることがあるため、去痰薬を併用したり、鎮咳薬を使わない場合もあります。
鎮咳薬の種類
① 中枢性鎮咳薬
脳の咳中枢に作用して咳を抑えます。
麻薬性鎮咳薬
強い鎮咳作用があります。
代表薬
コデインリン酸塩
ジヒドロコデインリン酸塩
適応
強い乾いた咳
がんに伴う咳など
副作用
眠気
便秘
吐き気
呼吸抑制
依存性(長期使用で注意)
非麻薬性鎮咳薬
依存性はほとんどありません。
代表薬
デキストロメトルファン
チペピジンヒベンズ酸塩
クロペラスチン
エプラジノン
適応
かぜ
気管支炎
軽度~中等度の乾いた咳
副作用
眠気
めまい
吐き気
② 末梢性鎮咳薬
気道や気管支に直接作用して、咳反射を起こしにくくします。
代表薬
レボドロプロピジン
ベンプロペリン
特徴
呼吸中枢への影響が少ない
比較的眠気が少ない
咳の種類による使い分け
咳の種類 | 治療の考え方 |
乾いた咳(空咳) | 鎮咳薬が有効なことが多い |
痰の多い咳(湿性咳嗽) | 去痰薬が中心。鎮咳薬は慎重に使用 |
アレルギー性の咳 | 抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬などを使用することもある |
喘息による咳 | 気管支拡張薬や吸入ステロイドが基本治療であり、鎮咳薬だけでは不十分 |
主な副作用
眠気
めまい
吐き気
便秘(麻薬性鎮咳薬)
呼吸抑制(麻薬性鎮咳薬)
依存性(麻薬性鎮咳薬)
使用上の注意
咳は原因を治すものではなく、症状を和らげる治療です。 原因疾患(感染症、喘息、COPD、胃食道逆流症など)の治療が重要です。
2~3週間以上続く咳や、血痰・高熱・息苦しさ・胸痛を伴う場合は、医療機関を受診することが勧められます。
麻薬性鎮咳薬は眠気や呼吸抑制を起こすことがあるため、自動車の運転や飲酒には注意が必要です。
まとめ
鎮咳薬は、咳を抑えて患者さんの苦痛を軽減する薬です。
中枢性鎮咳薬
麻薬性:コデイン、ジヒドロコデイン(効果は強いが依存性や呼吸抑制に注意)
非麻薬性:デキストロメトルファン、チペピジン、クロペラスチンなど
末梢性鎮咳薬
レボドロプロピジン、ベンプロペリンなど
咳の原因や性質(乾いた咳か、痰を伴う咳か)によって適切な薬が異なるため、原因に応じた治療を行うことが重要です。
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