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スキーマ療法とは?
スキーマ療法とは?早期不適応的スキーマ・モードと治療法をわかりやすく解説 スキーマ療法(Schema Therapy)とは、従来の認知行動療法(CBT)では十分な効果が得られにくかった慢性的な生きづらさ、対人関係のトラウマ、難治性のうつ病、パーソナリティ症(パーソナリティ障害)などを克服するために開発された、統合的な心理療法です。 アメリカの心理学者ジェフリー・ヤング(Jeffrey E. Young)博士によって1990年代に創始され、認知行動療法をベースにしながら、心理力動(精神分析)、アタッチメント(愛着)理論、ゲシュタルト療法などのエッセンスを融合させた包括的なアプローチをとります。 主な特徴と基本概念 スキーマ療法は、物事の捉え方(認知)や現在の行動だけにアプローチするのではなく、人間の感情やパーソナリティの「根底にある深いパターン」に働きかけます。 1. 「早期不適応的スキーマ(EMS)」の同定 「スキーマ」とは、人が世界や自分自身を理解するための「レンズ」や「枠組み」のようなものです。幼少期から青年期にかけて、家族関係や環境の中で「
西潟 春輝
8月10日読了時間: 6分
DBTとは?
DBT(弁証法的行動療法)とは?特徴・4つのスキルと医学的背景を解説 DBT(Dialectical Behavior Therapy:弁証法的行動療法)とは、激しい感情の動揺や衝動的な行動を制御することが困難な人々のために開発された、エビデンスに基づく心理療法(認知行動療法の一種)です。 1980年代後半にアメリカの心理学者マーシャ・ラインハン(Marsha M. Linehan)博士によって、主に境界性パーソナリティ症(BPD)や慢性的な自傷行為・自殺企図を抱える患者の治療のために創始されました。現在では、摂食障害、物質使用障害、うつ病、PTSDなど、感情調節の不全を伴う幅広い精神疾患に応用されています。 主な特徴と4つのモジュール(スキル訓練) DBTの最も大きな特徴は、対極にある概念である「現在の自分を受け入れること(受容)」と「より良い方向へ自分を変えていくこと(変化)」を同時にバランスよく追求する点にあります。この両者のバランスをとるために、以下の4つの主要なスキルモジュールを段階的に習得していきます。 1. マインドフルネス(Min
西潟 春輝
8月10日読了時間: 6分
パーソナリティ症群とは?
パーソナリティ症群とは?特徴・分類と最新の医学的アプローチを解説 パーソナリティ症群(旧称:パーソナリティ障害群)とは、思考、感情、衝動のコントロール、他者との関わり方といった「パーソナリティ(人格・性格的傾向)」のパターンが、その人が属する社会や文化の平均的な期待から著しく偏っており、それが長期間にわたって固定化している精神疾患の総称です。 人間には誰しも固有の性格のクセや傾向がありますが、パーソナリティ症群の場合はその傾向が不柔軟であり、状況が変わっても調整することが困難です。その結果、本人自身が強い精神的苦痛を感じたり、学業・仕事・対人関係などの社会生活において深刻な支障を生じさせたりします。 主な特徴と分類 パーソナリティ症群では、主に以下の4つの領域のいくつかに持続的な不適応や偏りが現れます。 認知(物の捉え方):自分自身、他者、または出来事を不調和な形で解釈する(例:「誰も信用できない」「自分は特別だ」など)。 感情応答性:感情の波の激しさ、過敏さ、または逆に感情の冷淡さや平坦さ。 対人関係の機能:他者と適切な距離感を保てない、親密な
西潟 春輝
8月10日読了時間: 6分
他のパーソナリティ症とは?
他のパーソナリティ症とは?標準的なタイプに当てはまらない分類と医学的背景を解説 「他のパーソナリティ症(Other Personality Disorders)」とは、A群・B群・C群に分類される代表的な10種類のパーソナリティ症(境界性、回避性、自己愛性など)のいずれの診断基準も完全には満たさないものの、物の捉え方や感情、対人関係における持続的な偏りによって、本人に強い苦痛や社会的支障が生じている状態を指します。 精神医学の診断基準(DSM-5やICD-11)では、人間の複雑なパーソナリティを固定されたタイプだけに当てはめることの限界を考慮し、不適応の様式や原因に応じた「その他のカテゴリー」を定めています。 主な分類とカテゴリー 「他のパーソナリティ症」に該当する主な状態や診断カテゴリーには、以下のようなものがあります。 1. 他の特定されるパーソナリティ症(Other Specified Personality Disorder) パーソナリティ症としての全般的な基準(持続性、著しい不適応、青年期・成人早期からの発現)は満たしているものの、既
西潟 春輝
8月10日読了時間: 6分
C群パーソナリティ症とは?
C群パーソナリティ症とは?特徴・3つのタイプと医学的背景を解説 C群パーソナリティ症(旧称:C群パーソナリティ障害)とは、強い不安や恐怖、他者の評価に対する過剰な心配、あるいは完全性を求める傾向が持続的に見られ、それによって日常生活や対人関係に支障をきたしている一群の精神疾患・パーソナリティのパターンです。 精神医学の診断基準(DSM-5)において、パーソナリティ症は行動パターンによってA群・B群・C群の3つのクラスターに分類されます。その中でC群は「不安や恐怖を強く抱く一群(Anxious-Fearful Cluster)」と位置づけられています。 主な特徴と3つのタイプ C群パーソナリティ症は、共通して「高い不安感」「過度な自己抑制」「失敗や見捨てられることへの恐れ」を持ちます。具体的な症状や行動パターンによって、以下の3つのタイプに分かれます。 1. 回避性パーソナリティ症 他者からの批判、拒絶、失敗を異常なほど恐れ、対人関係や新しい活動を極端に避けるタイプです。他者と関わりたいという欲求はあるものの、「自分は不適格で魅力がない」「拒絶され
西潟 春輝
8月10日読了時間: 7分
B群パーソナリティ症とは?
B群パーソナリティ症とは?特徴・4つのタイプと医学的背景を解説 B群パーソナリティ症(旧称:B群パーソナリティ障害)とは、感情の起伏が極めて激しく、衝動的でドラマチックな言動や、対人関係における著しいギャップや摩擦を持続的に生じさせる一群の精神疾患・パーソナリティのパターンです。 精神医学の診断基準(DSM-5)において、パーソナリティ症は表現される行動パターンによりA群・B群・C群の3つのクラスターに分類されます。その中でB群は「感情的で劇的、移り気な一群(Dramatic-Emotional-Erratic Cluster)」と位置づけられています。 主な特徴と4つのタイプ B群パーソナリティ症は、共通して「感情コントロールの困難さ」「衝動性」「他者との関係における極端さ」を持ちます。具体的な症状や行動パターンによって、以下の4つのタイプに分類されます。 1. 境界性パーソナリティ症(BPD) 対人関係、自己像、感情の著しい不安定さと、強い衝動性が特徴です。「見捨てられること」に対して異常なほどの不安や恐怖を感じ、他者を「理想化」したかと思え
西潟 春輝
8月10日読了時間: 7分
A群パーソナリティ症とは?
A群パーソナリティ症とは?特徴・3つのタイプと医学的背景を解説 A群パーソナリティ症(旧称:A群パーソナリティ障害)とは、物の捉え方、考え方、他者との関わり方において「奇異」「風変わり」「強い不信感」「著しい社会的孤立」といった傾向が持続的に見られる一群の精神疾患・パーソナリティのパターンです。 精神医学の診断基準(DSM-5)では、パーソナリティ症は表現される行動パターンによってA群・B群・C群の3つのクラスターに分類されます。その中でA群は「奇妙で風変わりな一群(Odd-Eccentric Cluster)」と位置づけられています。 主な特徴と3つのタイプ A群パーソナリティ症は、共通して「他者との親密な関係を形成・維持することの困難さ」や「独自の独特な認知スタイル」を持ちます。具体的には、症状の特徴によって以下の3つのタイプに分かれます。 1. 妄想性パーソナリティ症(偏執性パーソナリティ症) 他者に対する過度な不信感や疑い深さが根底にあります。特別な根拠がなくても「周囲が自分を利用しようとしている」「裏切ろうとしている」と思い込みやすく、
西潟 春輝
8月10日読了時間: 6分
ギャンブル行動症とは?
ギャンブル行動症とは? ギャンブル行動症(精神医学上の正式名称:ギャンブル障害、行政上の通称:ギャンブル等依存症)とは、パチンコ、パチスロ、競馬、競艇、カジノ、オンラインギャンブルなどのギャンブル行為に対するコントロールを失い、経済的・社会的・精神的な不利益が生じているにもかかわらず、ギャンブルを繰り返してしまう非物質関連の「行動嗜癖(物質に依らない依存症)」の一種です。 国連の世界保健機関(ICD-11)では「ギャンブル行動症(Gambling disorder)」、米国精神医学会(DSM-5-TR)では「ギャンブル障害」として分類されており、意志の弱さではなく医学的な脳疾患として位置づけられています。 主な特徴と症状 ギャンブル行動症では、賭け事に対する行動制御が不能になり、日常生活や社会生活に多様な支障が現れます。 行動・心理の症状 賭け金の増額(耐性):期待通りの興奮や満足感を得るために、徐々に賭ける金額を増やしたり、危険な賭け方に及ぶようになります。 コントロール障害(途中でやめられない):ギャンブルを減らそう、あるいは完全にやめようと
西潟 春輝
8月10日読了時間: 7分
吸入剤誘発性精神疾患群とは?
吸入剤誘発性精神疾患群とは? 吸入剤誘発性精神疾患群(吸入剤誘発性障害群)とは、シンナー、トルエン、塗料、接着剤、スプレー缶のガスなどの揮発性有機溶剤(吸入剤)の使用、中毒、またはその後の経過において直接引き起こされる一連の精神障害の総称です。単なる一時的な急性中毒(酩酊状態)の範囲を超えて、精神病性障害(幻覚・妄想)、気分障害(うつ状態・躁状態)、不安障害、認知障害(著しい記憶・判断力の低下)、せん妄など、一次性の精神疾患に酷似した重篤な精神症状が誘発され、持続する病態を指します。 精神医学の診断基準(DSM-5-TR)においても、「吸入剤誘発性障害群(Inhalant-Induced Disorders)」として独立したカテゴリーに分類されています。 主な特徴と症状 吸入剤誘発性精神疾患群は、惹起される主要な精神症状や脳機能障害のタイプに応じて複数のサブタイプに分類されます。 主なサブタイプと症状 吸入剤誘発性精神病性障害:薬物の直接的な急性効果が消失した後も、現実検証能力(現実と幻覚・妄想を区別する能力)が損なわれた状態が継続します。強烈な
西潟 春輝
8月10日読了時間: 6分
他の幻覚剤使用病とは?
他の幻覚剤使用病とは? 「他の幻覚剤使用病(他の幻覚剤使用障害)」とは、フェンシクリジン(PCP)や大麻以外の幻覚作用を持つ物質(LSD、メスカリン、サイロシビン、MDMAなど)の反復的な使用によって生じる物質使用障害の一種です。本人の意志に反して薬物使用をコントロールできなくなり、精神的・身体的な健康障害や、社会的な生活機能の低下を引き起こす状態を指します。 精神医学における診断基準(DSM-5-TR)では、PCP(フェンシクリジン)と大麻以外の幻覚剤による障害を「他の幻覚剤使用障害(Other Hallucinogen Use Disorder)」として分類しています。 主な特徴と症状 幻覚剤は脳の感覚処理や意識状態を急激に変容させるため、精神面および知覚面において特徴的な症状が現れます。 知覚・精神の変容 知覚の著しい歪みと幻覚:色彩が鮮やかすぎるように感じられたり、幾何学模様が見える視覚的幻覚、音が色として感じられるような「共感覚(Synesthesia)」が生じます。 自我境界の崩壊:自分と外部の境界線があいまいになり、宇宙や周囲の環境
西潟 春輝
8月10日読了時間: 6分
原始的防衛機制とは?
原始的防衛機制とは 原始的防衛機制(Primitive Defense Mechanisms)とは、不安や恐怖、心理的苦痛から自分を守るために、無意識に働く最も初期・未成熟な防衛機制のことです。 精神分析学で発展した概念で、ジークムント・フロイト や、その後のアンナ・フロイト、オットー・カーンバーグ らによって理論が発展しました。 防衛機制そのものは誰にでも備わっている正常な心の働きです。原始的防衛機制も、幼少期には発達上自然なものですが、成人後も強く持続し、生活や対人関係に大きな支障をきたす場合には、心理的な問題と関連することがあります。 原始的防衛機制の特徴 無意識に働く 現実を大きく歪めることがある 強いストレスや危機的状況で現れやすい 乳幼児期には正常な発達の一部 成人では頻繁に使われると対人関係や適応に影響することがある 主な原始的防衛機制 1. 分裂(Splitting) 物事や人を 「完全に良い」 「完全に悪い」 のどちらかで捉え、中間的な評価が難しくなる状態です。 例 「昨日までは最高の先生だったのに、今日は最低だ」...
西潟 春輝
7月28日読了時間: 3分
精神分析療法とは?
精神分析療法(Psychoanalytic Therapy)とは、患者自身も気づいていない無意識( unconscious )にある葛藤や感情、幼少期の体験などを探り、それらを理解することで心理的な苦痛や症状の改善を目指す心理療法です。 創始者は、ジークムント・フロイトです。 基本的な考え方 精神分析療法では、 人は自分でも気づいていない「無意識」の影響を受けている 幼少期の経験や対人関係が現在の考え方や行動に影響する 抑圧された感情や葛藤が、不安やうつ、身体症状などとして現れることがある という考え方を基本とします。 例えば、 幼少期に十分に感情を表現できなかった 強い喪失体験やトラウマがあった 厳しい養育環境だった といった経験が、現在の人間関係や症状に影響している可能性を探っていきます。 主な技法 ① 自由連想法(Free Association) 思いついたことをできるだけそのまま話してもらいます。 例 「昨日の夢を見ました。」 「その夢から何を思い浮かべますか?」 話の流れから無意識のテーマを探ります。 ② 夢分析 夢は無意識を反映する
西潟 春輝
7月28日読了時間: 3分
強迫病とは?
強迫症(Obsessive-Compulsive Disorder:OCD)とは 強迫症(OCD)とは、繰り返し浮かぶ不快な考え(強迫観念)や、それによる不安を和らげるために繰り返し行う行動や心の中の儀式(強迫行為)が特徴となる精神疾患です。 以前は「強迫性障害」と呼ばれていましたが、現在のDSM-5-TRやICD-11では**「強迫症」**という名称が一般的です。 なお、DSM-5-TRでは不安症群とは別に、**「強迫症および関連症群(Obsessive-Compulsive and Related Disorders)」**という独立した診断群に分類されています。 主な特徴 強迫症では、以下の2つが中心的な症状です。 ① 強迫観念(Obsessions) 自分では「不合理だ」と分かっていても、繰り返し頭に浮かんでしまう考えやイメージ、衝動です。 例: 「手が汚染されているかもしれない」 「鍵を閉め忘れたのではないか」 「火を消し忘れたのではないか」 「誰かを傷つけてしまうのではないか」 「神様を冒瀆する考えが浮かんでしまう」 本人はその考えを
西潟 春輝
7月21日読了時間: 4分
ICDー11とは?
ICD-11(International Classification of Diseases 11th Revision:疾病及び関連保健問題の国際統計分類 第11版)とは、世界保健機関(WHO)が作成・管理している、世界共通の病気・けが・健康問題を分類するための国際標準です。 医療機関、公衆衛生、研究、保険制度などで共通の「病名コード」として広く利用されています。 ICD-11の目的 ICD-11は、次のような目的で使われます。 病気の診断名を統一する 世界各国で統計を比較できるようにする 医療・研究・行政で共通の分類を使う 死因や疾病の発生状況を把握する 医療費や保険制度の運用を支援する ICD-11の特徴 ICD-11は、前版(ICD-10)から大きく改訂されました。 主な特徴は次のとおりです。 デジタル化を前提とした設計 約17,000の分類項目(コードの組み合わせによりさらに多くの状態を表現可能) 最新の医学・科学的知見を反映 世界各国の専門家が作成に参加 電子カルテとの連携を考慮 精神疾患の分類 ICD-11では、「精神、行動または
西潟 春輝
7月20日読了時間: 3分
統合失調型症とは?
統合失調型症(Schizotypal Disorder/Schizotypal Personality Disorder)とは、対人関係の困難、奇異な考え方や知覚体験、風変わりな言動が持続的にみられる精神疾患です。統合失調型症 名称が似ていますが、統合失調症とは別の疾患です。 DSM-5-TRでは、パーソナリティ症群(A群)に分類されています。 ICD-11では、統合失調症スペクトラムに関連する疾患として扱われています。 主な症状 1. 対人関係の困難 親しい人間関係を築くのが難しい 他人への強い不信感 社交場面で強い不安を感じる 2. 奇異な考え方 偶然の出来事に特別な意味を感じる テレパシーや超能力を信じるなど、文化的背景では説明しにくい独特な信念 「誰かに見られている気がする」と感じることがある(妄想ほど確信的ではない) 3. 知覚の異常 人の気配を感じる 影や音を実際以上に意味のあるものと感じる 4. 独特な話し方や行動 話が回りくどい、抽象的 独特の服装や振る舞い 周囲から「変わっている」と思われることがある 統合失調症との違い 統合失
西潟 春輝
7月8日読了時間: 3分
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