ICDとは
ICDとは、病気やけが、健康に関する状態を世界共通の基準で分類するための国際的な分類体系です。
正式名称は、
International Classification of Diseases
で、日本語では**「国際疾病分類」**と呼ばれます。
現在の最新版は**International Classification of Diseases 11th Revision (ICD-11)**です。
誰が作っているの?
ICDは、
World Health Organization(世界保健機関)
が作成・管理しています。
世界中の国や地域で、医療・保健・統計に利用されています。
ICDの目的
ICDの目的は、世界中で病気の名前や分類を統一することです。
例えば、
日本で「脳梗塞」
アメリカで「Stroke」
フランスで別の言語の名称
と呼ばれていても、ICDのコードを使えば同じ病気として統一して記録・集計できます。
これにより、
病気の発生状況の把握
死因統計
医療統計
国際比較
研究
などが可能になります。
ICDで分類されるもの
ICDは精神疾患だけでなく、ほぼすべての病気や健康状態を扱っています。
例えば、
高血圧
糖尿病
肺炎
脳梗塞
アルツハイマー病
うつ病
統合失調症
骨折
やけど
妊娠・出産
感染症
がん
など、非常に幅広い内容が含まれます。
ICD-11の特徴
ICD-11では、
デジタル化への対応
最新の医学知識の反映
精神疾患分類の見直し
希少疾患への対応
など、多くの改訂が行われています。
精神疾患の分類も、現在の知見に合わせて更新されています。
DSM-5-TRとの違い
精神疾患では、ICDとDSMの両方が使われます。
ICD-11 | DSM-5-TR |
WHOが作成 | APAが作成 |
すべての病気を分類 | 精神疾患に特化 |
医療統計・保険・行政でも広く利用 | 精神科診療・研究・教育で広く利用 |
世界共通の分類 | 精神疾患の詳細な診断基準を示す |
つまり、
ICDは「病気全体の国際分類」
DSMは「精神疾患の詳細な診断マニュアル」
という違いがあります。
ICDコードとは?
ICDでは、それぞれの病気にコードが付けられています。
例えばICD-10では、
高血圧 → I10
2型糖尿病 → E11
うつ病 → F32(ICD-10の例)
のように分類されます。
ICD-11ではコード体系が変更されており、より柔軟で詳細な分類が可能になっています。
医療現場での使われ方
ICDは次のような場面で活用されています。
診断名の標準化
死因統計
医療保険・診療情報の管理
疫学研究
国際的な疾病統計
公衆衛生政策の立案
まとめ
ICD(国際疾病分類)は、
「世界中の病気や健康状態を共通のルールで分類するための国際標準」です。
特徴をまとめると、
作成者:World Health Organization
最新版:International Classification of Diseases 11th Revision (ICD-11)
対象:精神疾患を含む、ほぼすべての病気・けが・健康状態
目的:診断名の統一、統計、研究、医療・行政での共通利用
つまり、ICDは「世界共通の病気の辞書・分類表」であり、その中で精神疾患についてはDSM-5-TRがより詳細な診断基準を提供する、という関係になっています。
コメント