GABA_B受容体とは
GABA_B受容体(Gamma-Aminobutyric Acid type B receptor)は、脳や脊髄に存在する抑制性のGタンパク質共役受容体(GPCR)**です。
GABA(γ-アミノ酪酸)は中枢神経系で最も重要な抑制性神経伝達物質で、GABA_B受容体は神経細胞の興奮をゆっくりと抑える役割を担っています。
GABAとは
GABAは、神経細胞同士の情報伝達を「ブレーキ」の方向に働かせる神経伝達物質です。
主な働きは次のとおりです。
神経の過剰な興奮を抑える
筋緊張を調節する
不安を軽減する
けいれんを抑える
睡眠を促しやすくする
GABA_B受容体の作用
GABA_B受容体が活性化すると、Gタンパク質を介して以下の変化が起こります。
カルシウムチャネルを抑制する
神経終末へのカルシウム流入が減り、神経伝達物質の放出が抑えられます。
カリウムチャネルを開く
カリウムが細胞外へ流れ、神経細胞が過分極して興奮しにくくなります。
神経の興奮を抑える
神経回路全体の活動が低下します。
このため、神経細胞は「興奮しにくい状態」になります。
GABA_A受容体との違い
項目 | GABA_A受容体 | GABA_B受容体 |
受容体の種類 | イオンチャネル型 | Gタンパク質共役受容体(GPCR) |
作用の速さ | 速い(数ミリ秒) | 遅い(数百ミリ秒〜数秒) |
主な作用 | 塩化物イオン(Cl⁻)の流入 | カリウム・カルシウムチャネルを介した調節 |
効果 | 即効性の抑制 | 持続的な抑制 |
GABA_B受容体に作用する主な薬
バクロフェン
GABA_B受容体を直接刺激する薬(作動薬)
痙縮(筋肉の異常な緊張)の治療に用いられます。
フェニブット
一部の国で使用されるGABA_B受容体作動薬です。
日本では医薬品として承認されていません。
GABA_A受容体に作用する薬との違い
GABA_A受容体には、次のような薬が作用します。
ジアゼパム
ロラゼパム
アルプラゾラム
これらはベンゾジアゼピン系に分類され、不安や不眠、けいれんなどの治療に使われます。GABA_A受容体そのものを直接刺激するのではなく、GABAの作用を強めることで抑制効果を高めます。
GABA_B受容体の役割
GABA_B受容体は、次のような働きをしています。
筋緊張の調節
痛みの伝達の調節
運動機能の調節
神経の過剰な興奮の抑制
けいれんの抑制への関与
そのため、この受容体は筋弛緩薬や神経疾患の治療薬の重要な標的となっています。
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