TMSとは
TMS(Transcranial Magnetic Stimulation:経頭蓋磁気刺激法)とは?
TMS(経頭蓋磁気刺激法)とは、頭皮の上から磁気を発生させて脳の特定の部位を刺激する治療法・検査法です。
頭にコイルを当てて短時間の磁気パルスを発生させると、その磁場によって脳内に微弱な電流が生じ、神経細胞の活動を調節できます。頭蓋骨を切開する必要はなく、**非侵襲的(体を傷つけない)**な方法です。
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TMSの仕組み
頭皮の上に専用のコイルを当てる
コイルから短い磁気パルスを発生させる
磁場によって脳内に微弱な電流が誘導される
標的となる脳領域の神経活動が変化する
刺激の強さや頻度によって、神経活動を促進したり抑制したりすることができます。
TMSの種類
① 単発TMS(Single-pulse TMS)
1回ずつ磁気刺激を行う
脳の働きを調べる研究や神経機能検査に用いられます
② 反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)
磁気刺激を繰り返し行う方法
治療目的で広く用いられています
③ シータバースト刺激(TBS)
非常に短時間で刺激を行うrTMSの一種
治療時間を短縮できる場合があります
TMSが用いられる病気
現在、TMSは次のような疾患で研究・治療に利用されています。
うつ病
強迫症(一部の国・地域で適応)
片頭痛(一部の機器・適応)
脳卒中後の運動機能回復(研究・一部の医療機関)
慢性疼痛(研究・一部の施設)
うつ病に対するTMS
特に薬物療法で十分な改善が得られなかったうつ病に対して、rTMSは治療の選択肢の一つです。
一般的には、
1回20~40分程度(刺激法によっては数分の場合もあります)
週5日程度
数週間継続
というスケジュールで行われます。
TMSのメリット
全身麻酔が不要
外来で受けられることが多い
意識を保ったまま治療できる
入院が不要な場合が多い
抗うつ薬の副作用が問題となる患者さんでは、別の治療選択肢となることがあります
副作用・リスク
比較的安全性が高いとされていますが、次のような副作用が起こることがあります。
刺激部位の痛み
頭痛
顔面の筋肉のぴくつき
一時的な疲労感
耳への刺激音による不快感(耳栓を使用します)
まれですが、けいれん発作が起こる可能性があるため、治療前には既往歴や服用薬などを確認します。
TMSとECT(電気けいれん療法)の違い
TMS | ECT(電気けいれん療法) |
磁気で脳を刺激する | 電気刺激で全身性のけいれんを誘発する |
麻酔は通常不要 | 全身麻酔が必要 |
外来で実施できることが多い | 入院で行われることが多い |
治療中は意識がある | 麻酔中に実施される |
主に薬が効きにくいうつ病などで用いられる | 重症うつ病や緊急性の高い精神疾患などで高い有効性が期待される |
日本での位置づけ
日本では、薬物療法で十分な効果が得られない一部のうつ病に対して、一定の条件を満たす場合にrTMSが保険診療として行われています。一方で、他の疾患へのTMSは研究段階であったり、自由診療として提供されていたりする場合があり、適応は疾患や医療機関によって異なります。
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