top of page

パニック発作特定用語

7月21日
読了時間: 2分

パニック発作特定用語とは

パニック発作は、パニック症だけに起こるものではありません。

例えば、以下の疾患でもパニック発作がみられることがあります。

  • 社交不安症

  • 限局性恐怖症

  • 広場恐怖症

  • 全般不安症

  • 心的外傷後ストレス症(PTSD)

  • 強迫症

  • うつ病

  • 双極症

  • 統合失調症 など

このような場合に、「この患者にはパニック発作も伴っている」ということを示すために**「パニック発作特定用語」**が付けられます。

具体例

例えば、

  • 社交不安症(パニック発作あり)

  • PTSD(パニック発作あり)

  • うつ病(パニック発作あり)

というように、主たる診断名に追加して記載されます。

つまり、

  • パニック症=独立した疾患(診断名)

  • パニック発作特定用語=他の疾患に「パニック発作を伴う」ことを示す診断上の注記

という違いがあります。

パニック発作の診断基準

DSM-5-TRでは、パニック発作は突然始まり、数分以内にピークに達する強い恐怖や強い不快感であり、その間に以下の症状のうち4つ以上が現れるものとされています。

  • 動悸・心拍数の増加

  • 発汗

  • 身体の震え

  • 息切れ・息苦しさ

  • 窒息感

  • 胸痛・胸部不快感

  • 吐き気・腹部不快感

  • めまい・ふらつき

  • 寒気または熱感

  • しびれ・ピリピリ感

  • 現実感消失

  • 離人感

  • 「気が狂うのではないか」という恐怖

  • 「死ぬのではないか」という恐怖

パニック発作の種類

パニック発作は発生状況によって大きく分けられます。

  1. 予期しない(Unexpected)パニック発作

    • 特定のきっかけがなく突然起こる。

    • パニック症で特徴的です。

  2. 予期される(Expected)パニック発作

    • 特定の状況や対象で起こる。

    • 例:社交不安症で人前に立ったとき、限局性恐怖症で注射を見たとき。

パニック症との違い

項目

パニック症

パニック発作特定用語

診断名

○

×(診断名ではない)

独立した疾患

○

×

他の疾患に付ける

×

○

意味

予期しないパニック発作を繰り返し、再発への不安や行動変化が続く疾患

他の精神疾患にパニック発作が伴っていることを示す注記

まとめ

  • パニック発作は「症状」の名称です。

  • パニック症は「疾患(診断名)」です。

  • パニック発作特定用語は、「パニック発作を伴う」ということを示す**診断上の注記(specifier)**であり、社交不安症やPTSD、うつ病などさまざまな精神疾患に付けられることがあります。

最新記事

すべて表示
臨床的関与の対象となることのある他の状態とは?

臨床的関与の対象となることのある他の状態とは?分類・臨床的意義と支援を解説 臨床的関与の対象となることのある他の状態(Other Conditions That May Be a Focus of Clinical Attention)とは、うつ病や統合失調症といった特定の精神疾患そのものの診断名ではありませんが、本人の精神的健康に深刻な影響を与え、医療機関や心理カウンセリングなどの臨床的介入(診

 
 
 
医薬品誘発性運動症群とは?

医薬品誘発性運動症群とは?主な種類・症状と発生メカニズムを解説 医薬品誘発性運動症群(Medication-Induced Movement Disorders)とは、統合失調症やうつ病、胃腸疾患などの治療に用いられる特定のお薬(医薬品)を服用した副作用として、手足の震え、筋肉のこわばり、意思に反して身体が動く(不随意運動)、静止していられないなどの運動障害が現れる病態の総称です。 精神医学の診断

 
 
 
神経認知障害群とは?

神経認知障害群とは?せん妄・MCI・認知症の種類と医学的背景を解説 神経認知障害群(Neurocognitive Disorders:NCDs)とは、脳の疾患や損傷、あるいは加齢に伴う病理的変化によって、記憶、注意、判断力、言語能力などの「認知機能」が後天的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたしている精神疾患のカテゴリーです。 米国精神医学会の診断基準(DSM-5)において、従来「認知症」や「

 
 
 

コメント


bottom of page