フレゴリ症候群とは?
フレゴリ症候群は、見知らぬ複数の人物が、実は同一人物が変装や姿を変えて現れていると強く確信してしまう誤認妄想症候群の一つです。比較的まれな精神症候群であり、統合失調症、認知症、脳損傷などさまざまな背景疾患に伴ってみられることがあり、脳機能や認知の障害を理解するうえでも重要な症候群として知られています。
関連する誤認妄想症候群
フレゴリ症候群は、人物認識に関する障害を特徴とする症候群群の一つです。
身近な人物が別人にすり替わったと信じる。
複数の人物が同一人物の変装だと信じる。
人物同士が互いに入れ替わったと信じる。
自分と同じ存在がいると信じる。
特徴
中核症状は、「異なる外見の人々が、実際には一人の人物であり、変装・変身・偽装を繰り返して自分の前に現れている」という確信です。単なる勘違いや顔を見間違える現象ではなく、反対の証拠が示されても信念が修正されにくい妄想として現れる点が特徴です。
この症候群では、顔だけでなく、声、しぐさ、歩き方、態度などの情報を過度に結び付け、「同じ人物に違いない」と解釈してしまうことがあります。
原因と背景
フレゴリ症候群そのものは独立した病気ではなく、症候群です。背景には、統合失調症やその他の精神疾患のほか、認知症、脳卒中、頭部外傷、てんかんなど、人物認識や現実検討能力に影響する脳の障害が関与する場合があります。
現在では、顔認識、記憶、情動処理、現実検討など複数の認知機能が組み合わさって障害されることで生じると考えられており、単一の原因だけで説明できるものではありません。
名称の由来と意義
名称は、19~20世紀初頭に活躍したイタリアの舞台俳優レオポルド・フレゴリに由来します。彼は素早い早変わりや変装芸で知られていたため、「同一人物がさまざまな姿で現れる」という妄想の特徴を表す名称として採用されました。
フレゴリ症候群は非常にまれですが、人間の人物認識や自己と他者の識別がどのように脳で実現されているかを理解するうえで重要な症候群であり、神経心理学や精神医学の研究対象となっています。
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