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急性ストレス病とは?

7月21日
読了時間: 3分

急性ストレス病(Acute Stress Disorder:ASD)とは、命の危険や深刻な事故、暴力、災害などの強い心的外傷(トラウマ)を経験した後に、一時的に生じる精神疾患です。

PTSD(心的外傷後ストレス病)と症状は似ていますが、発症から3日以上1か月以内にみられることが特徴です。1か月を超えて症状が続く場合は、PTSDへ移行している可能性が検討されます。

原因

次のような強いストレス体験がきっかけになります。

  • 交通事故

  • 自然災害(地震・津波・洪水など)

  • 火災

  • 暴力・虐待

  • 性暴力

  • 戦争・テロ

  • 大切な人の突然の死

  • 重篤な病気や医療処置

  • 他人が重大な事故に遭う場面を目撃すること

主な症状

DSM-5-TRでは以下のような症状がみられます。

1. 侵入症状

  • 事故や出来事を何度も思い出す

  • 悪夢を見る

  • フラッシュバック(まるで再び体験しているように感じる)

  • 思い出すと強い苦痛を感じる

2. 陰性気分

  • 喜びを感じられない

  • 気持ちが沈む

  • 感情が麻痺したように感じる

3. 解離症状

  • 現実感がなくなる

  • 自分が自分ではないように感じる

  • 出来事の一部を思い出せない

4. 回避症状

  • 出来事を思い出す場所や人を避ける

  • 話題にしたくない

  • 記憶を思い出さないようにする

5. 覚醒症状

  • 眠れない

  • イライラする

  • 集中できない

  • 驚きやすい

  • 常に警戒している

診断基準(概要)

急性ストレス病と診断されるには、一般的に次の条件を満たします。

  • トラウマ体験がある

  • 上記の症状が9項目以上みられる

  • 症状が3日以上1か月以内続く

  • 日常生活や仕事、学校生活に支障がある

  • 他の病気や薬物の影響では説明できない

治療

治療は本人の状態に応じて行われます。

心理療法

  • 認知行動療法(CBT)

  • トラウマフォーカストCBT

  • 心理教育

  • ストレス対処法の指導

  • 家族への支援

薬物療法

症状が強い場合に補助的に用いられることがあります。

  • 睡眠薬(不眠が強い場合)

  • 抗不安薬(短期間に限って使用されることがある)

  • 抗うつ薬(PTSDへ移行した場合などに検討される)

※急性ストレス病では、薬物療法よりも心理的支援や安全な環境の確保が重視されます。

PTSDとの違い

項目

急性ストレス病

PTSD

発症

トラウマ後すぐ

トラウマ後に発症

症状の持続

3日〜1か月

1か月以上

解離症状

比較的多い

必須ではない

治療

心理教育・CBTが中心

トラウマ焦点化療法・CBT・必要に応じて薬物療法

予後

  • 多くの人は数週間から1か月程度で改善します。

  • 一部の人はPTSDへ移行することがあります。

  • 早期に適切な心理的支援を受けることで、回復しやすくなる可能性があります。

受診の目安

次のような場合は、精神科や心療内科、または心理士への相談を検討してください。

  • 症状が日常生活に大きな支障をきたしている

  • 強い不眠やパニックが続く

  • 自分を傷つけたい気持ちや希死念慮がある

  • 症状が1か月以上続いている(PTSDへの移行が疑われるため)

急性ストレス病は、異常な出来事に対する異常ではない反応が強く持続した状態です。早期の適切な支援によって改善が期待できるため、無理に我慢せず、必要に応じて専門家へ相談することが大切です。

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