日本精神神経学会とは
日本精神神経学会とは、日本の精神医学・精神医療・精神保健の発展を目的とする学術団体です。
正式名称は、
日本精神神経学会
英語では Japanese Society of Psychiatry and Neurology(JSPN) と呼ばれます。
日本精神神経学会の役割
学会の主な役割は次のとおりです。
① 精神医学の研究を推進する
精神疾患の原因の研究
新しい治療法の研究
脳科学・神経科学の研究
などを支援しています。
② 診療ガイドラインの作成
精神科医が適切な診療を行えるように、
うつ病
双極症
統合失調症
不安症
認知症
などについて、科学的根拠(エビデンス)に基づいた診療ガイドラインを作成・改訂しています。
ガイドラインは「必ずこの治療を行う」という規則ではなく、現時点で推奨される標準的な治療の指針です。
③ 精神科専門医制度
日本精神神経学会は、精神科医の専門医教育にも関わっています。
例えば、
専門医の教育
研修内容の整備
専門医資格の更新
などを通じて、精神科医の質の向上を目指しています。
④ 学術集会の開催
毎年、全国規模の学術集会(学会)を開催し、
最新の研究成果
新しい薬
治療方法
症例報告
などが発表されます。
⑤ 社会への情報発信
一般の人向けにも、
精神疾患の正しい知識
偏見や差別の解消
精神保健に関する情報
などを発信しています。
DSMやICDとの関係
日本精神神経学会は、
Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition, Text Revision (DSM-5-TR)
International Classification of Diseases 11th Revision (ICD-11)
を参考にしながら、日本の医療制度や診療実態に合わせた診療ガイドラインや教育を行っています。
ただし、DSMやICDそのものを作成しているわけではありません。
厚生労働省との違い
日本精神神経学会 | 厚生労働省 |
学術団体 | 国の行政機関 |
研究・教育・ガイドライン作成 | 医療制度や法律、行政を担当 |
会員は主に精神科医・研究者 | 国民全体を対象に行政を行う |
つまり、学会には法律を作る権限や薬を承認する権限はありませんが、専門家の立場から医学的な知見をまとめ、医療の質の向上に貢献しています。
日本精神神経学会と日本神経学会の違い
名前が似ていますが、対象とする病気が異なります。
日本精神神経学会 | 日本神経学会 |
精神疾患が中心 | 神経疾患が中心 |
うつ病、統合失調症、双極症、不安症など | パーキンソン病、てんかん、脳卒中、筋萎縮性側索硬化症(ALS)など |
精神医学と神経内科学はどちらも脳を扱いますが、精神症状を中心に診るか、神経系の機能障害を中心に診るかという違いがあります。
まとめ
日本精神神経学会は、日本の精神医学を代表する学術団体です。
主な役割は、
精神医学の研究推進
診療ガイドラインの作成
精神科専門医の教育・育成
学術集会の開催
精神保健に関する情報発信
などです。
医療行政を担う厚生労働省とは役割が異なり、日本精神神経学会は科学的根拠に基づく精神医療の発展と、精神科医療の質の向上を支える専門家集団として重要な役割を果たしています。
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