検認とは?
更新日:9月13日
検認とは?遺言書の検認手続きをわかりやすく解説
検認(けんにん)とは、亡くなった方が残した遺言書について、家庭裁判所がその存在や現在の状態を確認する手続きです。
簡単にいうと、
「遺言書がどのような状態で残されていたのかを、家庭裁判所で確認・記録する手続き」
と考えると分かりやすいでしょう。
検認では、相続人に遺言書の存在や内容を知らせるとともに、遺言書の形状、日付、署名、訂正の状態などを確認します。
大切なポイントは、検認は遺言書が有効か無効かを判断する手続きではないということです。
なぜ検認が必要なの?
遺言者が亡くなった後は、本人に、
「この遺言書は本当にあなたが作ったものですか?」
「この訂正はあなたが行ったものですか?」
と確認することができません。
そこで家庭裁判所が、遺言書を発見した時点での状態を確認し、その内容を明確にします。
これによって、後から遺言書が書き換えられたり、内容を追加・削除されたりすることを防ぐ役割があります。
裁判所では、検認の目的を、遺言書の現状を明確にして偽造や変造を防止するための手続きと説明しています。
どんな遺言書に検認が必要?
代表的なのが、自宅などで保管されていた自筆証書遺言です。
遺言書を保管していた人や、遺言書を発見した相続人は、遺言者が亡くなったことを知った後、遅滞なく家庭裁判所へ遺言書を提出し、検認を請求する必要があります。
ただし、すべての遺言書に検認が必要なわけではありません。
公正証書遺言は検認不要
公正証書遺言には、家庭裁判所の検認は必要ありません。
公正証書遺言は、公証人が法律で定められた手続きに従って作成し、公証人側で原本が管理されるためです。
そのため、相続開始後に家庭裁判所で検認を受けることなく、遺言に基づいた相続手続きを進めることができます。
法務局に預けた自筆証書遺言も検認不要
自筆証書遺言でも、法務局の**「自筆証書遺言書保管制度」**を利用している場合には検認は必要ありません。
この制度では、自筆証書遺言の原本と画像データを法務局が保管します。
そのため、相続開始後に家庭裁判所で検認を行う必要がありません。
つまり、簡単に整理すると、
自宅で保管した自筆証書遺言→ 原則として検認が必要
法務局で保管した自筆証書遺言→ 検認不要
公正証書遺言→ 検認不要
となります。
検認はどこの家庭裁判所でするの?
検認の申立ては、原則として遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で行います。
たとえば、亡くなった方の最後の住所が沖縄県内であれば、その住所地を管轄する家庭裁判所へ申し立てることになります。
具体的な管轄や必要書類については、裁判所へ確認すると安心です。
誰が検認を申し立てるの?
一般的には、
遺言書を保管していた人
遺言書を発見した相続人
などが申し立てます。
遺言書を発見した場合、勝手に処分したり、そのまま長期間保管したりするのではなく、必要に応じて家庭裁判所へ検認を申し立てることが重要です。
検認では何を確認するの?
家庭裁判所では、主に、
遺言書の形状
用紙の状態
日付
氏名
署名
押印
加筆
削除
訂正
その他、遺言書の現在の状態
などを確認します。
その時点で遺言書がどのような状態だったのかを明確にしておくことで、後から改ざんされたかどうかを確認しやすくなります。
相続人全員が家庭裁判所へ行かなければならない?
検認の申立てが行われると、家庭裁判所から相続人へ検認期日の通知が行われます。
ただし、通知を受けた相続人全員が必ず検認期日に出席しなければ検認できない、というわけではありません。
申立人は出席する必要がありますが、その他の相続人については各自が出席するかどうかを判断します。
検認期日では、出席した相続人などの前で遺言書が開封・確認されることがあります。
封印された遺言書を勝手に開けてはいけない
遺言書が封筒に入れられ、封印されている場合には注意が必要です。
封印された遺言書は、原則として家庭裁判所で相続人等の立会いのもと開封する必要があります。
「内容が気になるから」といって、自宅で勝手に開封することは避けなければなりません。
遺言書を発見した場合には、まずその状態のまま保管し、家庭裁判所の手続きを確認することが大切です。
検認を受ければ遺言書は有効になるの?
ここは特に間違えやすいポイントです。
検認を受けたからといって、その遺言書が法律上有効だと認められたことにはなりません。
裁判所も、
検認は遺言書の有効・無効を判断する手続きではない
と明確に説明しています。
たとえば、
日付に問題がある
本人が作成したものではない疑いがある
遺言作成時に意思能力がなかったと争われる
法律上必要な方式を満たしていない
といった問題があれば、検認後でも遺言の有効性が争われる可能性があります。
検認と「遺言書の有効性」は別問題
検認を理解するときには、
検認=遺言書の状態を確認する
有効性の判断=遺言が法律上有効かを判断する
という違いを覚えておくと分かりやすいでしょう。
検認は、いわば遺言書の「現状保存・確認」のための手続きです。
遺言書の内容そのものが法律的に正しいか、遺言者に意思能力があったかなどを最終的に判断するものではありません。
検認後はどうなるの?
検認が終了すると、必要に応じて検認済証明書を申請できます。
その後、遺言書の内容に応じて、
預貯金の相続手続き
不動産の相続登記
有価証券の名義変更
遺贈の手続き
その他の財産承継手続き
などを進めることになります。
ただし、金融機関や登記などで必要になる書類は手続きごとに異なります。
法務局の遺言書保管制度を利用するメリット
自筆証書遺言を作成する場合には、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用する方法があります。
この制度を利用すると、
遺言書の紛失を防げる
改ざんを防ぎやすい
法務局が原本と画像データを保管する
相続開始後の検認が不要になる
相続人等が遺言書情報証明書を取得できる
一定の場合に相続人等へ遺言書が保管されていることが通知される
といったメリットがあります。
なお、法務局で保管されたからといって、遺言内容そのものの法律上の有効性まで保証されるわけではありません。
検認と公正証書遺言の関係
公正証書遺言には検認が不要です。
そのため、
「亡くなった後に家族へできるだけ手続きの負担をかけたくない」
という場合には、公正証書遺言を選択する方法もあります。
一方、
「自分で遺言書を書きたい」
という場合には、自筆証書遺言を作成して法務局へ預けておくことで、検認を不要にする方法があります。
それぞれ費用や作成方法、保管方法が異なるため、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
検認とは「遺言書の状態を家庭裁判所で確認する手続き」
検認を簡単にまとめると、
「亡くなった方が残した遺言書について、その存在や内容、形状、日付、署名、訂正状態などを家庭裁判所で確認し、偽造・変造を防止するための手続き」
です。
そして、最も重要なのは、
検認=遺言書が有効だと認定する手続きではない
という点です。
また、
自宅保管の自筆証書遺言 → 原則検認が必要
法務局保管の自筆証書遺言 → 検認不要
公正証書遺言 → 検認不要
という違いも覚えておくと、遺言制度を理解しやすくなります。
遺言書を発見した場合には、自分の判断で開封・処分せず、まず家庭裁判所や専門家へ確認することが大切です。
※本記事は2026年8月時点の日本の遺言・相続制度について一般的に解説したものであり、個別の法律上の助言ではありません。遺言書の種類や保管状況によって必要な手続きが異なります。具体的な手続きについては、家庭裁判所、法務局、弁護士、司法書士などへご確認ください。
【この記事について】
公開日:2026年8月25日|最終更新日:2026年9月13日
執筆・運営:沖縄カオスユニオン(代表:西潟 春輝)
参考情報:裁判所・法務省などの公的情報をご確認ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の法律判断・手続判断は行いません。個別の事情がある場合は、弁護士・司法書士等の専門家や公的な相談窓口にご相談ください。
コメント