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財産目録とは?

8月25日
読了時間: 8分

更新日:9月13日

財産目録とは?相続・遺言での役割や作り方をわかりやすく解説

財産目録(ざいさんもくろく)とは、自分や亡くなった方が所有している財産について、種類・内容・所在地・口座などを一覧にして整理した書類のことです。

簡単にいうと、

「どのような財産が、どこに、どれくらいあるのかをまとめた一覧表」

です。

相続や遺言では、

  • 預貯金

  • 不動産

  • 株式・投資信託

  • 自動車

  • 貴金属

  • 保険

  • 貸付金

  • 借入金などの債務

といった財産関係を整理するために利用されます。

特に、遺言書を作成するときや、相続開始後に遺産を確認するときに重要な書類となります。

財産目録は何のために作るの?

財産目録を作成する主な目的は、財産の全体像を分かりやすくすることです。

本人は自分の財産を把握していても、亡くなった後に家族が、

「どこの銀行に口座があるのか分からない」

「証券会社を利用していたようだが詳細が分からない」

「どの土地を所有していたのか分からない」

という状態になることがあります。

財産目録を作っておけば、相続人が財産を調査するときの大きな手掛かりになります。

財産目録には何を書くの?

決まった一つの形式があるわけではありませんが、一般的には次のような財産を整理します。

預貯金

  • 金融機関名

  • 支店名

  • 預金の種類

  • 口座番号

  • おおよその残高

などを記載します。

不動産

土地や建物について、

  • 所在

  • 地番

  • 家屋番号

  • 種類

  • 面積

  • 持分

  • 固定資産評価額など

を整理します。

不動産は住所だけでは登記上の物件を特定できない場合があるため、登記事項証明書などを確認して記載するとよいでしょう。

株式・投資信託など

  • 証券会社名

  • 支店名

  • 口座番号

  • 銘柄

  • 保有数量

などを記載します。

自動車

  • 車名

  • 登録番号

  • 車台番号

  • 所有者

などを記載しておくことがあります。

生命保険など

  • 保険会社

  • 保険商品名

  • 証券番号

  • 契約者

  • 被保険者

  • 受取人

などを整理しておくと、相続開始後の確認がしやすくなります。

なお、生命保険金は契約内容によって相続財産そのものとは異なる扱いになる場合がありますが、相続手続き全体を把握するための情報として一覧にしておくことは有用です。

その他の財産

そのほかにも、

  • 貴金属

  • 美術品

  • 骨董品

  • ゴルフ会員権

  • 暗号資産

  • 電子マネー

  • 貸付金

  • 著作権などの知的財産権

  • 事業用財産

などがあれば記録しておくとよいでしょう。

借金も財産目録に書くの?

相続を考える場合には、プラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産についても整理しておくことが重要です。

たとえば、

  • 住宅ローン

  • カードローン

  • 事業融資

  • 個人からの借入金

  • 未払いの税金

  • 未払いの医療費

  • その他の債務

などです。

相続では、原則として資産だけでなく債務も引き継ぐ可能性があるため、負債を把握しておくことは非常に重要です。

遺言書と財産目録の関係

遺言書を作成するときには、財産目録を添付することがあります。

たとえば、

「別紙財産目録第1記載の不動産を長男に相続させる」

といった形で、遺言本文と財産目録を組み合わせることができます。

財産が多い場合には、遺言本文の中ですべての銀行口座や不動産情報を書くよりも、財産目録を別紙にすることで内容を整理しやすくなります。

法務省も、多数の財産について遺贈や相続の指定を行う場合などに、財産目録を利用できることを案内しています。

自筆証書遺言の財産目録はパソコンでも作れる?

できます。

自筆証書遺言では、原則として、

  • 遺言本文

  • 作成日付

  • 氏名

を本人が自筆する必要があります。

しかし、遺言書に添付する財産目録については自筆する必要はありません。

たとえば、

  • パソコンで作成した財産一覧

  • 不動産の登記事項証明書のコピー

  • 預金通帳のコピー

などを利用することができます。

パソコンで作った財産目録には署名・押印が必要

自筆証書遺言に、自筆ではない財産目録を添付する場合には注意が必要です。

財産目録の記載があるすべてのページに、遺言者本人が署名・押印する必要があります。

通帳や登記事項証明書などのコピーを財産目録として利用する場合も同様です。

つまり、

遺言本文 → 原則として自筆

財産目録 → パソコン作成やコピーでも可能

ただし、

自筆でない財産目録 → 各ページに署名・押印

と覚えておくと分かりやすいでしょう。

財産目録には「誰に相続させるか」も書くの?

自筆証書遺言に添付する財産目録については、基本的には財産を特定するための情報を書く書類として使用します。

たとえば、

「○○銀行 ○○支店 普通預金 口座番号○○○○」

と記載します。

一方、

「この預金を長男に相続させる」

といった財産の承継についての意思表示は、遺言本文に記載します。

法務局も、財産目録には財産を特定するための形式的な事項を記載し、誰に相続させるかといった内容は遺言本文に記載するよう案内しています。

財産目録は遺言書がなくても作れる?

もちろん作ることができます。

財産目録は遺言書専用の書類ではありません。

生前から、

「自分にはどのような財産があるのか」

を整理するために作っておくこともできます。

いわゆる終活や相続対策として、定期的に財産目録を更新する方法もあります。

生前に財産目録を作るメリット

自分の資産状況を把握できる

複数の銀行口座や証券口座、不動産などを持っていると、本人でも財産全体を把握できなくなることがあります。

一覧にすることで資産状況が分かりやすくなります。

相続人の負担を減らせる

本人が亡くなった後、家族が一から財産を探す必要がなくなります。

遺言書を作りやすくなる

財産が整理されていることで、

「誰に何を残すのか」

を考えやすくなります。

不要な口座などを整理できる

何年も使用していない銀行口座や証券口座などを発見し、生前に整理するきっかけにもなります。

財産目録は定期的に更新することが大切

財産状況は変化します。

たとえば、

  • 新しい銀行口座を作った

  • 預金を解約した

  • 不動産を売却した

  • 株式を購入した

  • 保険を変更した

  • 借入金を完済した

といったことがあれば、古い財産目録と実際の財産状況が一致しなくなります。

そのため、生前に作成する場合には、定期的に見直して最新の状態にしておくことが大切です。

遺言執行者も財産目録を作成する

遺言執行者が就任した場合にも、財産目録が重要になります。

民法第1011条では、遺言執行者は遅滞なく相続財産の目録を作成し、相続人へ交付しなければならないと定められています。

また、相続人から求められた場合には、相続人の立会いのもとで目録を作成するか、公証人に作成させることとされています。

つまり財産目録は、

生前に本人が作るもの

だけでなく、

相続開始後に遺言執行者が作成するもの

としても重要な役割があります。

財産目録と遺産分割協議書は違う

財産目録と遺産分割協議書は別の書類です。

財産目録

どのような財産があるのかを一覧にしたもの

です。

遺産分割協議書

相続人同士で、誰がどの遺産を取得するのかについて合意した内容を書面にしたもの

です。

つまり、

財産目録=「何があるのか」

遺産分割協議書=「誰が何をもらうのか」

という違いがあります。

財産目録を作れば財産調査は不要?

財産目録があったとしても、それだけで必ずすべての財産が確認できるとは限りません。

本人が記載を忘れていた財産や、財産目録を作成した後に取得した財産が存在する可能性があります。

相続開始後には、

  • 通帳

  • 郵便物

  • 金融機関の取引履歴

  • 登記情報

  • 証券会社からの書類

  • 税務関係書類

などを確認し、必要に応じて改めて財産調査を行うことが重要です。

財産目録は「財産の地図」

財産目録を簡単にまとめると、

「自分や亡くなった方が、どのような財産を持っているのかを一覧にした書類」

です。

相続では、

財産を探す↓財産を確認する↓財産の価値を調べる↓誰が引き継ぐのかを決める↓名義変更などの手続きを行う

という流れが必要になります。

その最初の土台となるのが財産目録です。

預貯金・不動産・有価証券などの資産だけでなく、借入金などの負債も含めて整理しておくことで、本人にとっても家族にとっても財産状況を把握しやすくなります。

特に遺言や相続対策を考える場合には、まず財産目録を作成して**「自分に何があるのか」を確認することから始める**とよいでしょう。

※本記事は2026年8月時点の日本の制度について一般的に解説したものであり、個別の法律・税務上の助言ではありません。自筆証書遺言に財産目録を添付する場合には法律上の方式が定められています。具体的な相続・遺言については、法務局、公証役場、弁護士、司法書士、税理士などの専門家へご確認ください。

【この記事について】

公開日:2026年8月25日|最終更新日:2026年9月13日

執筆・運営:沖縄カオスユニオン(代表:西潟 春輝)

参考情報:裁判所・法務省などの公的情報をご確認ください。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の法律判断・手続判断は行いません。個別の事情がある場合は、弁護士・司法書士等の専門家や公的な相談窓口にご相談ください。

 
 
 

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